春√の駄文倉庫

駄文置き場

部屋と小説と私

 俺のとっての小説やら文章やらを含めた大きなくくりでの文字とは何のかなと考えてみる。

 

 文章との出会いなんて覚えてない。絵本だったかもしれないし新聞だったかもしれないし間違って読んだ自己啓発本かもしれない。

 

 物心ついたあと、一番古い記憶ということで考えてみると恐らく翻訳されたハリーポッターが読みたいと思って読んだ文章だと思う。国語とか道徳の教科書のはノーカンだ。ポディマハッタヤさんとかは今は置いておこう。

 

 

 ハリーポッターがブームを巻き起こしたのは小学校低学年だからもう10年以上も前だ。ご多分に漏れず親が本屋の宣伝に乗っかり俺にぶあつーいハリーポッターを渡してきたことを覚えている。読みたいけどこの分量だしなあと半ば適当に読んでいて、親へちゃんと読んでるぜアピールをするため読んでないページにしおりを挟むという意味のないテクニックを身につけてしまった。そのせいでずる賢さが2ぐらい上がったんだと思う。ここで宿題を忘れに忘れて宿題忘れサボりキングとかいうクソみたいな二つ名がついたことは関係ないと信じたいし、小学校は忘れても卒業できるという付け焼き刃の知識のせいで中学に上がってからもきちんとその話が伝わっていたのか割りと担任から注意された記憶はある。まぁ関係ない。

 ハリーポッターを読んでどう思ったか、というとこんなにワクワクする世界があるんだなあということである。現実離れしたファンタジーの世界。それらが文字を読んで伝わってくる感覚が面白くて読めるところはちゃんと読んでいた。そういうわけで初めての文字との出会いは空想世界の楽しさを与えてくれた。

ここからは大分曖昧で何を読んだかは特に覚えてないのだけど、多分図書館にあったズッコケ三人組とかそういう子供向けの読みやすい小説とかを読んでいた気がする。

小学校で本をそこそこ読んだ結果、判読できない文字を類推して読む力がそこそこ身についたかなあと今でも感じる。そういった身につく力を本から得ていた。

 

そして多分、俺の文字との邂逅で分岐点というか多大なる影響を与えたのが中学時代に読んだ作品であろう。最初はハリーポッターの延長で、昔よくあった分厚いハードカバーのファンタジーをそこそこ読んで、ちょっと物足りねえかなとか考えていたんだけど、ある日部活の友達からすげぇおもしれえとおすすめされて滝本竜彦NHKにようこそ!を貸して貰った。これはそこそこ有名なので詳細を省くが、まぁ引きこもりが宗教勧誘の女のこと出会ってどうのこうの、という話。魅力としては絶対お前キメたことあるだろと思うような合法ドラッグの描写。

ここでラノベに近いような作品と触れたことでこういう小説もあるんだな、ということでしばらく本屋に出かける機会が増えた。

次に手にした作品が乙一のGOTHと呼ばれる小説である。

ここで何に感銘を受けたか、というとこの小説の技法である。半分ネタバレにはなってしまうが一部叙述トリックを用いた話があったりして、「小説でこんな風に遊べるのか!!」とえらく驚いた。それ以降ひたすら乙一の本を探して本屋を徘徊する中学生となっていた。純文学とかそういう並びにあることも影響して買いやすかったのもある。まだラノベコーナーへ行く勇気とかはなかった。

そしてこの頃あたりから、自分でも小説を書きたいという気持ちが芽生え始め少しずつ書こうと努力していた。中学卒業ぐらいに書いた作品はもう消えたが、どんな話かというと叙述トリックを駆使し、あたかも未成熟な女子を犯すような描写をしているがその実は未熟なメロンをオナホ代わりにする坊主頭の男の短編だ。書きたいものが全て詰まった小説だったなあと今思い返しても実感できる。

この頃から2ちゃんのVIPなんかでもワナビスレに入り浸るようになって、お題を貰って話を書いたりしていたけど、たわしでお題を貰った時はどうしようもないなあと思ってたわし視点のよくわからない話を書いたことがある。その時感じたミスマッチが意外と重要なものだったなあ、と今でも思う。

高校にはいってからはどちらかというとインプットの時期で、ひたすらに漫画を集めアニメを見てガンプラを作って、アニメを見て、ラノベにも手を出し始めていたと思う。丁度、ハルヒのブームの後で俺もその流れに乗りハルヒを見て、ラノベも面白いもんだなあと色々と読み始めた。特に狼と香辛料なんかはえらくハマっていた。今でもヒロインは割りと好きである。あとエロ漫画でしか知らなかった人がコミカライズして酷く興奮した。

 高校時代に出会った作品で印象的なのが、一つは円環少女。これは現代で魔法使いたちが暗躍する話であり、一番おもしろかったのがファンタジーながらその魔法の体系のようなものは理路整然としていて、魔法の皮を被ったSFのように思えたことだ。その感じがなんとも心地よく途中から追いかけてなんとか完結まで買い続けたラノベ作品でもある。

そしてその次はLolita。これは多分、有名だろう。ロリータ・コンプレックスの語源になった小説だ。購入経緯は省くが、この小説の最大の特徴は美少女しかすきになれない男がその美少女と逃避行に似たようなことをし、最後は少女の成長と共に気持ちが冷めるというロリコンのその原典の心理描写が非常に読みやすく、感情移入しやすくてハマってしまった。ドイツ文学なのだが、文化の差はそれほど感じず、これがロリコンの気持ちなんだなと認識し、今でもその認識は改めていない。

 

 大学ではなんだろうか。多分SF関連が大きいと思う。やる夫スレやらなにやらとネットでいろんなものをあさり、その中でも特にSF関係のものにドップリハマって、SFのその古典であったりと色々読んだ。記憶に深いのはやはり伊藤計劃のハーモニーと虐殺器官だろうか。

 

 瞼が重いのと、焦点がだんだんずれてきたのでこの辺でまとめとくと、小説に関しては何か一辺倒で読み漁るというよりも雑食で色々と手を伸ばした学生であった。順分に関しては青空文庫で適当に読みふけっていた。